日常で自然にビーガン食を。SASAYA CAFE(ささやカフェ)【押上】≪後編≫

更新日:2019/02/01 公開日:2017/03/06

2013年にオープンした、ビーガン&オーガニックカフェ「SASAYA CAFE(ささやカフェ)」。

代表の篠原さんに様々なお話を伺っているインタビューも今回が最終回。後編では、篠原さんがビーガン(ヴィーガン)になったきっかけや、ささやカフェの新たな試みなどについて紹介していきます!

お店の場所や詳細な情報はこちらから。

≪前編≫一度は食べたい絶品インドカレー!SASAYA CAFE(ささやカフェ)
≪中編≫お散歩ついでに朝食、スイーツを。SASAYA CAFE(ささやカフェ)

篠原さんがビーガンになったきっかけは「精進料理」


篠原さんが完全にビーガンになったのは、ここ10年くらいのこと。

「子供のころから好き嫌いが激しく、とにかくお肉が嫌いでした。健康だったしアレルギーもなかったので、10代の給食である程度克服はできましたが、ずっと好きではなかったんです。」

大人になって、「嫌いなものを無理して食べる必要はないのでは?」と思い始めた篠原さん。野菜は大好きだったので、野菜だけ食べても良いのではないか、と思い色々調べているうちに、前述の「ピュアカフェ」や、海外のベジタリアン情報などを知っていったんだそう。

「でも、最初にそのような料理に興味を持ったのは、中学の修学旅行で訪れた京都の「精進料理」でした。ガイドブックを見て、お坊さんが食べる、お肉を使わない料理と知ってとても興味を持ちました。自分が安心して食べられるものだらけだったんです。もちろん旅行では精進料理を食べに行きました。」

何と、中学生の時に精進料理に興味を持っていた篠原さん!

ちなみに、精進料理は、京都発祥の料理。鎌倉時代に禅宗の僧侶の間で作られ始めたと言われており、植物性の食材のみで作られているのが特徴です。

※精進料理については下記をチェック!
素材の味が命、日本伝統の湯豆腐と精進料理(京都)

ビーガンになって良かったこと。


ビーガン食は、たくさん食べても胃がもたれない、と話す篠原さん。また、使ったお皿やお鍋などを洗う時も、洗剤はほとんど使わなくて済むんだとか。

「動物性の油を全く使わないので、お湯だけでスルスルと汚れが流れてしまうため、排水溝の掃除も楽になりました。」

ささやカフェのキッチンも、汚れは少ないそう。

「飲食店なのに排水溝の汚れが明らかに少なく、掃除業者の方は驚いています。」


篠原さんは、排水溝を、自分の体に置き換えて考えることがあると言います。

「動物性の油分は頑固で、ただ流しただけでは汚れはこびりついて取れません。自分の体の中でもそのようなことが起こっていると考えると怖い、と思いました。」

確かに!取材スタッフも思わず考えさせられた瞬間でした。

ちなみに、篠原さんの旦那様も、ビーガン料理を出し続けていたところ、お肉を食べる頻度がかなり減ったんだそう。マフィンに関しては、ビーガンのものしか食べなくなったんだとか。

「ビーガンになり、粉の香りなど、素材のおいしさがわかるようになりました。バターでは消えてしまっていた味があったんです。バターがなくても美味しいお菓子ができるんだよ!と伝えたいです。」

あえてビーガンを大きく打ち出さない。自然とビーガンメニューを取り入れてほしいという想い。


ビーガンカフェと言いつつ、お客様のほとんどが、お肉もお魚も普通に食べている方達。そのようなお客様にも食事を楽しんでもらうため、ささやカフェはあえて「ビーガン」ということを大きく打ち出さないようにしています。

「下町という土地柄もあり、敷居を低くし、どなたでも来られるようにと考えています。ビーガン、菜食主義を必要以上に打ち出さないのがささやカフェの暗黙のルール。知らずに食べたらビーガン料理だった、というのが理想です。」

あまり意識せず、日常に野菜を取り入れて欲しいという篠原さん。お肉は体に悪い、という発信をするのではなく、「今日は軽いものを食べたい」「今日は野菜にしようか」という風に、生活の中の一つの選択肢として自然に溶け込んでいくのが理想なんだそうです。

新たな試み。「お弁当」で新規のお客様を。


今後どんな人に来て欲しいか?という質問をしたら、篠原さんからこんなお話が。

「このカフェの奥に扉があります。一般の方の出入りはできないんですが、倉庫があり、中で作業をしている男性が沢山いるんです。コンビニ弁当、仕出し弁当など、値段と量を重視する方達です。その方向けにお弁当を始めたんです。」

価格は抑えて、おにぎりなど手軽に食べてもらえるもので作っているお弁当。今、少しずつ利用者が増えており、「しめしめ」と思っているそうです。一番近くにいるのに、中々縁がなかった人たちへも、少しずつささやカフェの健康ご飯が浸透してきているんですね。

朝食で新しいメニューを考えたい。


また、これからやってみたいこととして、朝食の新メニューのお話もしてくれました。

今の朝食のメニューはマフィンかスコーン。小麦を使っています。何か小麦を使わない違うものを提供できないか…。

考えた時に浮かんだのが「スープカレー」。

小麦を使わない、スパイスが効いた、ささやカフェらしい朝食。ご飯を入れて煮立てて食べるのは、現地インドでも良くやる食べ方なんだそうです。消化にも良さそう!

週に1回、月に1回から是非!


最後に、篠原さんに一言いただきました。

「ベジタリアンの方も是非来ていただけたらありがたいです。そして、その他の方にも無理なく続けていただけるメニューを心掛けています。週1回でも、月1回でも試していただければ。まずは一度来て、食べて欲しいです。」

メニューはすべて本当に魅力的。カレー好きな人も、野菜好きな人も、お腹いっぱい食べたい人も、誰もが楽しめるはずです!


隣のスペースでは、定期的にワークショップもやっています。

ご近所の友禅の会社が企画した「友禅体験」や、倉庫を借りてトレーニングスタジオを作っているお客さんが開いている「空中エクササイズ」など、面白そうなワークショップが沢山。ささやカフェの店内には、フランスでも展示されたという、友禅の着物も飾ってありますよ。


スタッフの皆さんの熱い想いがつまったささやカフェ。こだわりは一杯ですが、本当に気軽に入れる素敵な空間です。スカイツリー観光がてら、是非訪れてみてくださいね!


取材の日は、2月ながら春を感じられる桜と青空が楽しめました!スカイツリー撮影スポットも沢山ですよ!

※記事の内容は取材時点のものであり、変更される可能性があります。来店時には、あらかじめお店にお問い合わせいただくことをお勧めします。

≪前編≫一度は食べたい絶品インドカレー!SASAYA CAFE(ささやカフェ)
≪中編≫お散歩ついでに朝食、スイーツを。SASAYA CAFE(ささやカフェ)

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AYA OKUDA

AYA OKUDA

フードコーディネーター
食育インストラクター
食空間コーディネーター
フードライター
食の美味しさ、楽しさ、大切さを発信すべく、地道に活動、勉強中。
得意分野は、日本の伝統行事食、食の日本史・世界史、テーブルコーディネート。
好きな分野は、カレー、ビール。